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割安感のある「築古」が注目の的? 高まる中古マンション需要、今後の値動きは/楽待

2023/11/10 不動産投資

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2022年度の新築マンションの平均価格は6907万円に対し、2022年度の中古マンション成約価格の平均は4343万円

「築5年以内」の築浅マンションの成約価格が、少なくとも2022年度の首都圏新築マンションの平均価格よりも高くなっている

昨今、新築マンション価格の高騰が続いていることで、新築よりも割安感のある中古マンションに目を向ける人もいるだろう。

 

しかし、中古マンションもだんだんと値上がりしつつある。なかでも築5~10年といった築浅マンションはさほど割安感がなく、市場に出ている物件数もあまり多くはない。

 

そこで注目されるのは、築20~30年といった築年数が古いマンション。築浅マンションに比べると割安感が大きく、成約件数も増えているのだ。

 

築浅マンションと築古マンションでは、価格や成約件数にどれほどの違いがあるのだろうか? 築古マンションはどれだけ「割安感」があると言えるのだろうか?

 

中古マンションの現状を知り、今後の物件購入を検討する際の参考にしてほしい。

 

 

中古の価格は新築の6割ほど

 

 

まずは、近年の新築マンション・中古マンションの価格について確認しよう。不動産経済研究所によると、首都圏における2022年度の新築マンションの平均価格は6907万円。

 

それに対して東日本不動産流通機構(東日本レインズ)によると、首都圏における2022年度の中古マンション成約価格の平均は4343万円だった。中古なら、新築の6割ほどの予算で手に入ることになる。

 

このような状況を受け、近年は住宅に中古マンションを検討する人が増えている。

 

リクルートのSUUMOリサーチセンターが実施する「住宅購入・建築検討者調査」によると、2022年は住宅の購入・建築を検討する人のうち、新築マンションを検討している人の割合が32%で、中古マンションは26%と、両者に大きな差は開いていないように見受けられる。

 

図表1 住宅購入者の検討住宅種別(単位:%)(「住宅購入・建築検討者調査」(2022年12月)(株式会社リクルート)をもとに著者作成)

 

2021年に関して言えば、新築マンションが29%、中古マンションが30%と、中古マンションが新築マンションを上回っている。中古マンションが新築マンションを上回ったのは、この調査が始まって以降初めてのことだった。

 

2021年は新築マンションの価格高騰が本格化して、中古マンションの割安感への注目度が高まった時期といった事情も関係していそうだ。

 

しかし、中古マンションが新築に比べて割安感があるとはいっても、その割安感はジワジワと失われつつある。

 

不動産経済研究所と東日本レインズによると、2016年度の首都圏新築マンションの平均価格は5541万円。同年度の首都圏中古マンションの成約価格の平均は3078万円だったから、中古なら新築の5割程度で買えた。それが2022年度には6割にまで上がっている。

 

近年、中古マンション価格も急速に上がっており、それが割安感の低下につながっているのだ。

 

中古マンション価格の上昇について、直近の動きを見てみよう。

 

東日本レインズによると、2023年9月の首都圏中古マンション成約価格の平均は4618万円で、前年同月比4.5%のアップだった。前年同月比は、2020年6月から40カ月連続で上昇している。

 

中古マンションが価格上昇を続けていることから、新築マンションと比較した際の価格的なメリットが小さくなっていると言えるのではないだろうか。

 

図表2 首都圏中古マンションの成約価格と前年同月比の推移(東日本不動産流通機構「月例マーケットウォッチ」をもとに著者作成)

 

ただ、ひとくちに「中古マンション」といっても、築年数によって成約件数や成約価格は大きく異なる。

 

東日本レインズによると、2023年4月~6月の首都圏中古マンションの成約件数は全体としては8646件で、前年同月比2.2%の減少だった。その中でも、築年数のさほど長くない、いわゆる築浅物件の減少が目立っている。

 

図表3にあるように、「~築5年」の成約件数は前年同期比5.8%の減少で、「~築10年」は2.6%の減少、そして「~築15年」は18.9%と大幅に減っている。「~築20年」も0.7%のマイナスだった。

 

図表3 首都圏中古マンションの築年数帯別成約件数と前年同期比(東日本不動産流通機構「首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年数帯別成約状況【2023年4~6月】」をもとに著者作成)

 

築浅物件は売り出し件数自体が減っていることや、価格の上昇が大きいことが成約件数の減少に影響しているのではないかと考えられる。実は築浅物件は、ものによっては新築並みに価格が上がっているのだ。

 

以下では、築浅マンションの価格が新築並みに高いことを示すデータについて見ていこう。

 

 

築浅マンションの価格は新築より高い?

 

 

首都圏の中古マンションの地域別・築年数別の成約状況を示したものが図表4だ。(集計期間:2023年4~6月)

 

「築5年以内」の物件の平均成約価格は6986万円。先に触れたように、不動産経済研究所のデータでは首都圏新築マンションの2022年度の平均価格は6907万円だ。

 

集計の時期が異なっているため純粋な比較とはならないが、「築5年以内」の築浅マンションの成約価格が、少なくとも2022年度の首都圏新築マンションの平均価格よりも高くなってしまっていることが分かる。

 

図表4 首都圏中古マンションの築年数帯別成約価格と前年同期比(東日本不動産流通機構「首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年数帯別成約状況【2023年4~6月】」をもとに著者作成)

 

新築マンションの立地が難しくなっていて物件数の少ないエリアでは、築浅の中古マンションが新築マンション相場並みかそれよりも高い価格で取引されるケースが増えている。中古マンションといっても、築浅だと価格面でのメリットがほとんどなくなっているわけだ。

 

「築15年以内」までは成約価格が6000万円台の価格帯で、「築20年以内」に至ってようやく5000万円台にダウンする。「築30年以内」で3000万円台まで下がり、「築30年以上」で2000万円台になる。

 

中古マンションの割安感を享受できるのは、築20年、築30年、あるいはそれ以上の築古マンションに限られるのが現実だ。

 

改めて図表3の成約状況をみると、先に触れたように価格の高い築浅物件は成約件数が減少傾向にあるものの、「築25年以内」は前年同期比で10.2%の増加で、「築30年以内」も3.4%増えている。

 

「築30年以上」は0.6%の減少だが、図表2でも分かるように「築30年以上」の成約件数は約2800件。他の築年数帯が1000件前後にとどまっているのに比べて、そもそもの絶対数が格段に多い。

 

中古マンションのなかでも「割安感」が未だ残る、築20年を超えるような物件を購入している人が多い、ということが読み取れそうだ。

 

 

近年はマンションの基本性能も向上

 

 

ここまで見てきたように、築浅に比べて築古マンションは圧倒的に価格が安い。とはいえ、築古だと建物や設備などの老朽化が進んでおり、何かと心配が高まるのではないか―。

 

そのような懸念も出てくるだろうが、マンションの性能は年々高まっており、築古マンションでも基本性能の高いマンションが多くなっている。

 

特に、1990年代のバブル崩壊から長く続いた新築マンションが売れない時代には、マンションデベロッパーや建設会社がマンションの基本性能の向上に力を入れてきたように思われる。

 

床スラブが厚くなったことで遮音性が高まったり、システムキッチン・耐震性能など高機能化が進んだりしていることが、この時代のマンションの特徴のひとつだ。

 

さらに2000年には「住宅の品質確保の促進等に関する法律」が施行され、マンションを含むすべての新築住宅について10年間の品質保証が求められるようになったのだ。任意の制度とはいえ住宅性能表示制度が導入され、全国一律の基準で性能を比較検討できるようになった。

 

そのため、2023年現在で築20年、30年が経過したマンションでも一定の基本性能を確保している物件が多くなっている。それらを受けて近年は、消費者の間でも中古マンションを見直す動きが広まっているようだ。

 

中古マンションの中でも築浅のものになると、「割安感」は薄くなる。一方築20~30年といった築年数の古いマンションであれば、新築に比べて安価に購入することができるため、注目が集まっているのが現状だ。

需要が高まれば、いまはまだ「割安感」がある築古の中古マンションも今後価格が上昇していき、手を出しづらくなっていく可能性も否めない。

中古マンション市場はどのように変化していくのか、今後の動向が注目される。

 

 

 

 

参考元【割安感のある「築古」が注目の的? 高まる中古マンション需要、今後の値動きは |楽待不動産投資新聞 (rakumachi.jp)

 

 

 

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